audio-sound Score
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:10.5/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
基本スペック
- 周波数特性:20Hz-20kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:110dB
- コネクタ:0.78mm 2pin
パッケージ
パッケージは価格帯の標準を満たしています。紙製で処分は簡単です。
Kiwi Ears Cadenzaのパッケージは価格の標準を満たしています。
処分もしやすくエコです。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーチップ
- マニュアル類
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
フェイスプレートが美しいです。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Kiwi Ears Cadenzaはバランスの良いニュートラルに近いサウンドシグネチャーを持っています。
低域
Kiwi Ears Cadenzaの低域はかなり深くまで到達しています。
十分に直線的で重みと深みがあり、太くたくましいドラムキックは重厚感に不足はありません。重みのあるインパクトが感じられます。ランブルも一般的には不足を感じない水準にあると思われます。
エレキベースは十分な深みと広がりがあり、黒みも感じられます。
一般に低域マニアを十分に満足させることができる量と深さのある低域です。
中域
中域はほとんど完全にニュートラルです。質感はかなり正確で完璧に近く、透明度も十分な水準ですが、わずかにウォームに傾いて聞こえるかもしれません。
輪郭感やクランチ感はかなりしっかりしており、中域の構築感も十分にソリッドに聞こえると思われます。エレキギターの色づきもよく、艶やかで色気のあるサウンドで聞こえます。ただ鮮明感が少し低いせいか、ギターのバイト感はわずかにはっきりしないため、フレーズの食い込みのキレが甘いように感じるかもしれません。
ボーカルもふっくらして聞こえやすく、中域の雰囲気はやや分離が不鮮明で、全体的に調和的に聞こえます。空気感もかなり不足するので、中域の雰囲気は濃厚傾向です。
高域
Kiwi Ears Cadenzaの高域はスピーカー的な前方定位感を意識してうまくロールオフするように調整されていますが、一般的な標準値よりエネルギーが足りません。そのため多くの人にとって、適正音量では輝度が不足し、ディテール感に少し難が生じます。
ハイハットの色づきは地味で、じんわりとしており、やや背景に近く透明な雰囲気で聞こえます。
拡張性は物足りません。そのため、爽快感に欠け、天井感があり、全体的にやや甘味の感じられる雰囲気になります。
高域に敏感な人には十分すぎるほどセーフティなので、刺さりや尖りが苦手な人にはかなりおすすめできます。大音量で聴く傾向のある人もこのくらいの高域の方がいいのかもしれません。私はどちらかというとセーフリスニング重視派で、適正音量以下で聴くタイプなので、この高域はちょっと物足りないですね。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:S-
- 個人的な好み:S-
Kiwi Ears Cadenzaは正確な質感と十分に深い低域、滑らかで聴き心地の安定した高域を持ち、全体のバランスに優れたリスニングイヤホンです。
総じて価格帯では平均以上の優れたパフォーマンスが期待でき、全体的な水準ではハイエンドクラスと十分に渡り合えると言えるでしょう。
音質的な特徴
美点
- 音像一貫性に優れる
- 優れた質感
- 優秀な原音忠実度
- メロウ
- 艶やか
- 聴き心地が良い
- 重厚
- 温かみがある
- 高域がセーフティ
- 自然な倍音表現
- スピーカー的な定位感
欠点
- 分離感で物足りない
- 鮮明感の不足
- 高域の拡張性が物足りない
- さらに詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
総評
Kiwi Ears Cadenzaは十分に深みのある低域となめらかで耳当たりの良い高域、そしてメロウで艶やかに聞こえる中域を備えたサウンドバランスの良いイヤホンです。価格帯ではかなりおすすめできる製品で、とくに高域に敏感な人や低域好きには魅力的な選択肢になりえます。