audio-sound Score
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
基本スペック
- 再生周波数:20-20000Hz
- インピーダンス:12Ω
- 感度:117dB
- ピンタイプ: 2pin
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。シンプルで処分しやすいパッケージです。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーチップ
- マニュアル類
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
TRN XuanWuは中高域と低域が強調されたサウンドシグネチャーを持っています。
低域
TRN XuanWuの低域はかなり深くまでよく伸びており、かなりの臨場感を実現できます。
ドラムキックはインパクトが十分にあり、重さも相当に感じられ、ランブルも満足できる水準です。
エレキベースも黒く、しっかりとした広がりを持って聞こえます。
存在感の上でも中域とよくバランスが取れていると言え、低域マニアにかなりおすすめできると言えるでしょう。
中域
TRN XuanWuの中域はかなりニュートラルに近いですが、中域上部が強調されており、全体的に前屈みです。
ただし、エッジ感が少し悪いので、中域の構築感が悪く、もっさりして聞こえがちです。ギターエッジは色気に欠けますし、スネアはボコボコしたキレの悪い音になりがちです。
ボーカルもやや鼻にかかり、子音の活舌が悪く、声質もややハスキーに傾いています。少しふっくらした感触が出やすく、耳になじむ感覚はありますが、印象的には活発さに欠け、やや暗い雰囲気で聞こえがちです。ボーカルへのスポットライトが足りない感じが出やすく、暗い位置で歌っているように聞こえ、フォーカスがよくないと思う人も多いかもしれません。
高域
高域は拡張性で物足りません。全体的に高域のエネルギーは不足気味で、輝度は少し低めですが、精細感は悪くありませんから、ディテールには不足はたぶんないでしょう。
かなりセーフティな高域で、やや高いところが強調されているため、繊細さで少し優れているように聞こえます。ただし、空気感は物足りないので、ハイハットやシンバルクラッシュの広がりは悪く、木管やバイオリンも抜けがいまいちで爽快感はあまりありません。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B+
低域にこだわりがあり、少し暗い雰囲気でボーカルを楽しめるシックで上品な雰囲気が好きなら、TRN XuanWuは悪くない選択肢かもしれません。原音忠実度も悪くないので、全体的なバランスも悪くないでしょう。
とはいえ、同じ価格くらいの低域モデルとしては、たとえばFloAudio Callaのほうが一般的には優れているように思われます。
音質的な特徴
美点
- 良好な質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚で深みのある低域
- 上品でシック
- 価格以上の解像度
欠点
- 不足している高域拡張性
- 色づきが悪い
- 音が少し丸すぎ、構築感に欠ける
- 暗い中域
- 全体的に地味な音
- さらに詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
総評
TRN XuanWuは重厚で深みのある低域とシックで上品に暗く聞こえる中域を持つイヤホンです。サウンドパフォーマンスやパッケージ全体の出来を考えても、価格帯で特別優れたイヤホンというわけではありませんが、低域好きならかなり魅力的に思うはずで、候補に入れてみてもいいんではないでしょうか。