audio-sound Score
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
- 通信品質:9.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:6.5/10.0
基本スペック
- 連続/最大再生時間:7h/30h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 価格帯:5000円~10000円
パッケージ
パッケージは価格の水準を満たしています。全体的にエコなパッケージになっています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- 専用充電ケース
- イヤーピース
- Type-Cケーブル
- マニュアルや保証書類
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
ケースとイヤホンの質感はマットなホワイトで、手触りは滑らかです。
装着感
装着感は良好です。
接続品質
SBCでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬だけ通信が途切れましたが、すぐに復帰し、一貫して音楽を聴くことができました。
バックグラウンドノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。
音質
今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15とSBCでつないでレビューします。
ANC OFF時のQCY HT05は明るい中域のフラット系モニターライクなサウンドを持っています。
低域
ANC OFF時のQCY HT05の低域は存在感で中域より劣位に調整されており、中域を邪魔しません。深さは足りず、浅い印象で聞こえやすいですが、直線性は悪くありません。
バスドラムキックはややインパクトが弱く、少し浅くトントンとした音に聞こえがちです。リズム感はわかりやすいのですが、生々しさには欠けるところがあります。
エレキベースも黒さで少し物足りません。
基本的にANC OFFでの低域は低域マニアを満足させる水準ではないでしょう。また若干膨張的に聞こえます。
ANC ONにすると低域の深さが改善され、重みがもう少し強く感じられるようになります。低域好きの人にはANC ONをおすすめします。
中域
ANC OFF時は中域はかなり前面に出てきます。ニュートラルよりは明るく聞こえ、見通し感が良く詳細ですが、やや耳当たりは強くなります。
ANC ONにすると中域はほぼ完全にニュートラルに近くになり、明るすぎる感じが適正な水準まで落ち着くでしょう。
質感表現やサウンドバランスは明らかにANC ON時のほうが優れており、より自然なサウンドが期待できます。
ANC OFF時は中域の音像が少し大きくなり、音楽に張り出し感が出てボーカルが近くなり、大きく聞こえる傾向のおかげで、時々当たりが強いように思うかもしれません。
管楽器も同様に少し金属的で耳障りな雰囲気で聞こえる可能性があります。
ANC OFF時は全体として、音が明るすぎてややギンギンして聞こえるTinnyなサウンドに近づいており、大抵の人はANC ONのほうが快適に聞こえるでしょう。
高域
高域はかなりよく調整されており、スピーカーの定位感に寄せて、ほとんどフラットスピーカーと同じような感覚に聞こえるように調整されています。
ANC OFF時でもANC ON時でも定位感は優秀な水準にあります。ANC OFF時の方が音が明るいため、歯擦音などはANC OFF時に強く聞こえる可能性があります。
ディテール感などに不足はないものの、ANC OFF時は中域の明るさが高域の輝度より少し勝るバランスになるため、ディテール感がANC ON時より低下します。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:A-
QCY HT05は全体的に整ったサウンドバランスと価格の標準以上のオーディオスペックを実現しています。明るいEtymoticモニターのような音が好きならANC OFF時のサウンドを気に入るかもしれませんし、ANC ON時のサウンドバランスはかなり万人向きです。
音質的な特徴
美点
- サウンドバランスが良い
- 良好な原音忠実性
- 良好な質感
- 優れた定位感
- 中域への適切なフォーカス
- 明るい中域
- 左右の一致(優れた品質管理)
- 良好な精細感
欠点
- 低域の深さで物足りない
- ANC OFF時の締まりが悪いサウンド
さらに詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
総評
QCY HT05は中域を効果的に削減するANC、良好な通信品質、かなりバランスの取れた明るめのサウンドシグネチャーを持っており、価格帯ではそれなりに魅力的な選択肢と言えます。価格帯で最高クラスというレベルではありませんが、ベターな選択肢と言えるでしょう。