audio-sound Score
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:10.5/10.0
- 低域:9.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
基本スペック
- 再生周波数:20-20000Hz
- インピーダンス:20Ω
- 感度:107dB
- ピンタイプ:2pin 0.78mm
パッケージ
パッケージは価格の標準を満たしています。デザインはおしゃれですね。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリングケース
- 説明書など
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
透明感のあるシェルデザインです。
装着感
装着感は良好です。
音質
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
TANGZU Wan’er S.Gはやや中域寄りのニュートラルに近いサウンドシグネチャーを持っています。
低域
TANGZU Wan’er Sの低域は十分に直線的で深いところまで伸びており、見通し感は良好です。中域とのバランスもうまく調整されています。
ドラムキックはインパクトが十分にあり、重さも十分に感じられ、ランブルは少し物足りない気もしますが、おおむね満足できます。
エレキベースも黒く、しっかりとした広がりを持って聞こえます。
よく引き締まって深くまで届いている低域で、重厚感があり、低域好きをそれなりに満足させられると思います。
中域
TANGZU Wan’er S.Gの中域はほぼ完全にニュートラルです。正確な質感とやや低域寄りのウォームな聞き心地の良いバランスを備えており、中域は少しゆったりとし、豊かに聞こえます。
ボーカルは少しふっくらと、やや柔らかい印象で聞こえ、子音が穏やかで、耳当たりがマイルドです。歯擦音の尖りは目立たず、サ行の刺さりもほぼありません。
精細感やエッジ感には少し不足を感じることが多いと考えられるため、大抵の人は音がやや丸みを帯び、分離感はやや抑え気味に調和的な雰囲気で聞こえると思います。
高域のエネルギーが少し弱めで、超高域もどちらかというと閉じているため、中域はやや濃厚感が強いバランスに聞こえるでしょう。
高域
高域は非常になめらかにロールオフしており、スピーカー的な前方定位感をうまく再現していますが、拡張性では物足りません。
楽器音の色付きは悪くないものの、輝度がやや低く、ディテールの再現度や繊細さに欠ける印象を受けるかもしれません。ハイハットやシンバルクラッシュにはもっと煌びやかさと粒立ちの細やかさがほしいと思いますし、弦楽や管楽もいまいち伸びきらない感じがあります。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:A
TANGZU Wan’er S.Gは全体的にマイルドで滑らかな聞き心地の良いサウンドを持っています。高域はかなり安全なので、高域に敏感な人には比較的好ましいイヤホンと言えるでしょう。
オーディオスペックの大半は価格以上と言え、まず不足はありません。
音質的な特徴
美点
- 音像一貫性に優れる
- 優れた質感
- 良好な原音忠実度
- 聴き心地が良い
- 温かみがある
- マイルドな高域
- スピーカー的な前方定位感
- 自然な倍音表現
- 中域への適切なフォーカス
- 濃厚感がある中域
- 低歪
欠点
- 低域はもう少し深いと良い
- 物足りない高域拡張性
- ディテール感が不足しがち
- 繊細さが不足しがち
- さらに詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。
総評
TANGZU Wan’er S.Gは優れたオーディオスペックと耳当たりの良い濃厚なリッチサウンドを備えたイヤホンです。ビルドクオリティやパッケージクオリティも低価格とは思えないほど充実しており、総じて支払った値段以上の満足感を与えてくれるでしょう。