良質な最高峰のニュートラルサウンドを低価格で実現。パッケージクオリティの点でも満足度高め|中華イヤホン TRUTHEAR x Crinacle Zero レビュー

TRUTHEAR x Crinacle Zero

TRUTHEAR x Crinacle Zero

 

audio-sound Score

  • パッケージ:9.0/10.0
  • ビルドクオリティ:8.5/10.0
  • 装着感:8.5/10.0
  • 高域:9.5/10.0
  • 中域:11.0/10.0
  • 低域:8.5/10.0
  • 歪みの少なさ:9.0/10.0

 

基本スペック

  • 再生周波数:20-39500Hz
  • インピーダンス:10Ω±15%
  • 感度:117.5dB/Vrms
  • ピンタイプ:2pin 0.78mm

 

 

 

パッケージ

Truthear ZEROのパッケージは価格の標準を満たしています。

 

付属品はこの価格帯ではかなり充実しています。

 

パッケージ内容
  • イヤホン本体
  • イヤーチップ
  • キャリングケース
  • マニュアル類

 

Truthear Zero

 

 

ビルドクオリティ

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。

 

フェイスプレートが美しいです。

 

Truthear Zero

Truthear Zero

Truthear Zero
Truthear Zero
Truthear Zero
Truthear Zero

Truthear Zero

Truthear Zero

 

装着感

装着感は良好です。

 

Truthear Zero

TRUTHEAR x Crinacle Zero
TRUTHEAR x Crinacle Zero
TRUTHEAR x Crinacle Zero

 

音質

今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。

 

Trustear ZEROはほぼ完璧にニュートラルなサウンドシグネチャーを持っています。透明度や明瞭度の水準も高く、ZEROの欠点はレンジ感以外ほとんどないと言えるでしょう。それは私が高く評価するハーマンターゲット IE 2017にかなり近いようです。

 

Truthear ZERO Frequency Response (RAW)

 

Truthear Zero

 

低域

Truthear ZEROの低域は重みがありますが、深さは少し物足りないために、膨張感を感じやすい傾向にあります。

 

ドラムキックはインパクトが十分にあるものの、ボンボンしており、少しウォームで膨張的です。締まりが悪いため、キレが悪く、リズム感は若干もたつく印象を受けます。またランブルは不足気味で臨場感や重みの生々しさに欠けます。

 

エレキベースも少し明るく、黒さが少し足りないように思います。

 

この低域は量的には悪くないものの、低域マニアには物足りない水準でしょう。また引き締まり感の不足は、モニター的な音を好む人にも見通しが悪い印象を与えるかもしれません。

 

Truthear Zero

 

中域

中域はほとんど完全にニュートラルです。質感はかなり正確で完璧に近く、透明度も十分な水準ですが、ややウォームに傾いて聞こえる傾向があります。

 

定位感もよく、全体的につながり良く音像が聞こえるため、どのジャンルを聴いても表現に一貫性が感じられます。立体感の再現度もよく、十分に低歪で透明度は優秀と言えるでしょう。

 

この中域は文句なくすぐれた水準にあると言えます。

 

Truthear Zero

 

高域

率直に言って、Truthearの高域はほぼ完ぺきな水準にあり、自然で滑らかな倍音表現とディテールを共存させていますが、拡張性だけは少し物足りません。とはいっても、価格を考えれば十分優れた水準にあります。

 

全体的に文句がほとんどない高域ですが、それでも難点を探すとすれば、高域の空気感の不足からくる爽快感の物足りなさと、ディテールのわずかな不足です。とはいえ、これは難癖に近いでしょう。

 

Truthear Zero

 

音質総評
  • 原音忠実度:A
  • おすすめ度:S+
  • 個人的な好み:S+

 

Truthear ZEROは価格帯で優れたパフォーマンスを持っており、一般にハイエンドクラスに匹敵するかその多くを打ち負かしさえすると評価することができます。

 

圧倒的なパフォーマンスを誇るようにも思えますが、同じ価格帯にライバルはいるでしょうか?

 

まず、完全ワイヤレスイヤホンであるEarFun Air Pro 2は低域がより拡張され、高域ではTrustear ZEROに劣りますが、一般にほぼ同等のサウンドパフォーマンスを実現します。個体差のレベルの問題かもしれませんが、全体的な滑らかさではAir Pro 2のほうがより優れている可能性もあります。

 

Truthear Zero

 

TinHiFi C2は同じ価格帯の優れたモデルですが、そのサウンドデザインはZEROとは異なります。C2はより正統派のスタジオチューニングであるSonarWorksターゲットに近く、より原音忠実的です。つまり、よりスピーカーライクな定位感を持つイヤホンです。ZEROとC2は使い分け可能な同等の性能の選択肢ですが、スピーカーライクな音像把握よりも、原曲そのものの定位感やディテールを重視する場合、ZEROのほうが優れたパフォーマンスが期待できます。しかしとくに低域ではC2はZEROをアウトパフォームするでしょう。

 

Truthear Zero

 

Truthear Zero

 

音質的な特徴

美点
  • 音像一貫性に優れる
  • 優秀な解像度
  • 低歪
  • 優れた質感
  • 良好な原音忠実度
  • 艶やか
  • 聴き心地が良い
  • 温かみがある
  • 優れた定位感
  • 優れたディテール
  • 自然な倍音表現

 

欠点
  • 低域の深さに欠ける

 

  • さらに詳しいレビュー内容はこちらを参照して下さい。

 

 

総評

Trustear ZEROは価格帯で最も優れた水準の音質を提供するだけでなく、ハイエンドにも匹敵するパフォーマンスを持っています。パッケージも価格の水準以上で、全体的に購入して損はすることはまずないと言えるイヤホンでしょう。文句なくお勧めできる製品の一つと言えます。